苦く甘い恋をする。
この後続く言葉を想像して、私は身震いした。


私が思ってる通りの言葉だとしたら、聞くわけにもいかないし、言わせるわけにもいかない。


だからすぐに、私は長谷川くんに背中を向けた。


「いやっ、あのっ、私……先に帰るね。
あー……お疲れ!!」


そう言った私の肩に、長谷川くんはそっと手を置いた。


「……っ!!!!!」


「待てよ」


「…………。いや……あの……私には。
これ以上、長谷川くんとお話をすることはありません」
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