苦く甘い恋をする。
「でも、おまえ。こんなこと、大きな声で言われたい?
俺、こう見えて、結構デリカシーがある方だし?」


長谷川くんは親切を装って、ひそひそと内緒話のように、私の耳に言葉を送りこむ。


「秘密は守るよ、奥脇さん。
だって、人間、本当のことほど恥ずかしいのは明白だし、さ」


「……っ。くぅぅ……」


コイツ。


面白がってる!!


絶対絶対、面白がってる!!


私の弱みを掴んだくらいに思ってるんだ。
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