苦く甘い恋をする。

……恥ずかしくて、泣いちゃうじゃん。


どうしよ……。


そう思った瞬間響く声。


「よくできました」


長谷川くんは私の頬を包み込んだまま、親指をスッと動かして、私の頬を流れる涙を拭った。


「ほら。
本当のおまえは、こんなに可愛い」


「……何よぉ」


「……っ。そんな顔して睨んでも、今さら手遅れだし」


ブハッと笑うと、長谷川くんは私の頭の上に、大きな手をスッと乗せた。