苦く甘い恋をする。
「……っ。バカッ。
な……な……何、スル気?」


「んー? じゃ、逆に。
何して欲しい?」


「……は!? バカッ、ここ、会社だし」


「会社だし?」


そんなことを言う長谷川くんの顔は、私のすぐ目の前で。


「じゃ、奥脇さん。ここが会社じゃなかったらいいの?」


長谷川くんは、私の顎をスッと持ち上げた。


「それ、俺のものになりたいって意思表示だと受け取っていい?」
< 263 / 388 >

この作品をシェア

pagetop