苦く甘い恋をする。
「おまえが、俺のことをどう思ってるのか、知りたい」


ふわりと息が顔にかかる。


そのことに、ものすごくドキドキする。


「だから、聞かせてくれよ」


私の瞳を覗き込む距離の近さに、茶色の瞳に、ドキドキする。


だから……。


“そんなに言うなら、付き合ってあげてもいいけど?”


そんな言葉を、つい口にしそうになった時、長谷川くんは私の唇に指をあてた。
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