苦く甘い恋をする。
「……長谷川くんって、びっくりするほど優しいんだね」


今まで知らなかった長谷川くんの一面。


酔いも手伝ってか、私はするりと本音を口にした。


「こんなにマメで優しいなら、女の子に人気なのも、すごくよくわかる」


「……んだよ、ソレ」


唇を尖らせる長谷川くん。


と同時に……。


「でも、マメなクセに、私に連絡してくれなかった」


放置された2週間の恨みが、口をついて出た。
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