苦く甘い恋をする。
「待ってたのに。連絡してくれるの」


「だったら、おまえから連絡してくれれば……」


目をまん丸にして、驚きを表す長谷川くん。


「いくら海外出張で忙しいからってさ……」


一度口をついて出た恨みは、もう引っ込めることなんかできなかった。


「ずっと待ってたのに。バカッ。
どうせ、金髪美女といちゃいちゃしてたんでしょ?」


「……は?」


「いいもん、いいもん。どうせわかってるもん。
私に言ったことなんか、全部嘘で。
からかっただけなんでしょ?」


「あのさ……」
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