苦く甘い恋をする。
「だから、こんなに近くにいられて、すげぇ幸せ」


私の瞳を覗き込み、


「まっ赤に熟してるおまえ。すげぇ可愛い。
だから……もうそろそろ食っていい?」


そう言った瞬間、長谷川くんはプッとふきだした。


「あー、もう限界!!」


「……はぁ!?」


「おまえが喜ぶと思って。つーか、おまえのこんな顔が見たくて……」


長谷川くんは方肘を曲げ、その上に頭を乗せた格好で横向きになり、私の頬を軽く突いた。
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