苦く甘い恋をする。
「若い女の子向けのマンガを読んで、セリフとかインストールしてきたけど……。
いや~。こんなセリフを吐くのは、思ったよりも恥ずかしいな?」


「……そんなこと言って。ノリノリだったクセに」


からかわれていることはわかってたけど、ついまっ赤になってしまった自分が恥ずかしくて、唇を尖らせた。


「ん。まぁ。だからこそ、レアなものが見られて満足してるけど?」


長谷川くんは、私の唇を指でふにふにっと掴んだ。


「でも、食いたいと思ってるのは、ホント」


「……っ」
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