苦く甘い恋をする。
「食っていい?」


「……っ。う……ん」


きょときょとしながらも、私がこくんとうなずくと……。


「んじゃ、遠慮なく」


そんな言葉と共に、長谷川くんは身を乗り出し、私に顔を近づけた。


でも……。


ちゅっ。
ちゅっ。
ちゅっ。


キスが落とされた場所は、右頬と左頬と鼻の頭……だけ。
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