苦く甘い恋をする。
息がふわりと顔にかかる。


指の先で触れられた顎が熱い。


見つめられた茶色の瞳にドキドキする。


でも……。


こんな空気の中、そんなことを言うなんて……、恥ずかしすぎる。


大人になってからの恋愛は、もっとドライなもののハズ。


それなのに……。


「あれ? おまえ。そんな顔してるクセに、いらないの?」


こんなことを言うなんて、長谷川くんはズルい。


< 330 / 388 >

この作品をシェア

pagetop