苦く甘い恋をする。
だから、長谷川くん……。


好きな人がいるのに、女と遊ぶとか……。


そんな理解できないことをしてたんだ。


「……そ。人妻」


フッと軽く息を吐き出して、一瞬寂しそうな顔をした後、長谷川くんは私の頭を撫でた。


「でも、そろそろ。乗り越えようと思ってさ」


「…………」


「いや、違うな。おまえがいるから、乗り越えたいって思ったんだ」


「…………」


「だから……。過去との決別。
おまえ、見届けてくれないか?
俺との将来、未来のために」
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