苦く甘い恋をする。
「……わ……わからないけど」


「そ……それは、マズいな」


顎に手を当て、神妙な顔つきをした長谷川くんは、両手を口の横にあてると……


「神様――っ!!!」


びっくりするような大声で叫び出した。


「俺、コイツのことが大好きなんです~!!」


「は……はぁ!? やめてよ!!
近所迷惑だよ、そんな大きな声!!」


急いで長谷川くんのコートを引っ張ったけど、長谷川くんは叫ぶのをやめなかった。
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