苦く甘い恋をする。
……ん?


この人が何を言いたいのか、わからない。


私は軽く小首を傾げた。


その脇を、同じ部屋から出てきた男性社員が、私に声をかけながら通りすぎていく。


「美姫ちゃん、今日も可愛いね~」


「やった♪ 今日は朝から美姫ちゃんに会えるなんて、超ラッキー♪」


「今日のお昼は何時から?
一緒に食事しようよ。もちろん、奢るから」


そんな男性社員に、私は平等に笑顔を返した。
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