†蝶龍†―2―

「・・・・・・ッ!」


ガリッ


「ハァッ・・・・なんのつもり」

「あいさつだ」


相変わらずむかつく野郎。お陰で口の中が鉄の味がする。


「もうどうでもいいわ。今更、私に何の用だ」


「何の用、か。

ははっ・・・本当は分かってんだろ?」


「・・・・・・また、繰り返すのね。

あれだけ柚を、蝶龍を、紅蓮を傷つけておいて」



〝あの時〝は本当に絶望しかなかった。


柚は消え


蝶龍からは覇気が無くなり


私はまた無に


人形になった


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