†蝶龍†―2―

ほんの少しの間一緒にいただけ。深入りはしていないし、させてもいない。


ただ、知り合いというだけ。


それだけ。


あの頃の私は、本当に穏やかだった。仕事も殆どしていなかったし、なによりずっと傍に由樹がいた。


「どうでもいい。もう私には関係ない」


「へぇ・・・・・・じゃあこれでもそう言えるか?


お前の母親、生きてたぜ」




とても愉しそうな口ぶりで




とても残酷な事を




私に告げた



< 103 / 160 >

この作品をシェア

pagetop