†蝶龍†―2―
残酷な知らせ
ー紫苑SIDEー
「へぇ・・・・・・じゃあこれでもそう言えるか?
お前の母親、生きてたぜ」
そうあげはに告げた時、あいつの中の何かが崩れ落ちた音がした。
「ははっ・・・・嘘よ・・・・あの女が生きてるわけないじゃない・・・・。
あの女は死んだ。確かにそう聞かされた。
父から聞いたから、確かなのよ・・・」
そう自分に言い聞かせるようにして落ち着こうとしている。
あげは、お前はいつからそんなに弱くなった?
俺は〝あの頃〟のお前が好きだった。
強く 気高く 孤高の姫
「生きてる。ずっと植物人間状態だった。でもな、この前お前の親父さんが日本に戻ってきてたんだよ」
「父が・・・・・・それをどうして紫苑が知っている」
疑うような、探るような、鋭い視線で俺を突き刺す。