†蝶龍†―2―

私はもう冷静でいられなくなった。



そして、



「・・・・・・・あげは?」




あの女が私の名を呼んだ。




その瞬間、否応なしに私の体はビクついた。



それから何度も何度も私の名前を呼ぶ。



私と同じ声で




私と同じ姿で



〝あの時〟の私と同じ様に





吐き気がするわ・・・・・・・ッ



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