†蝶龍†―2―

くすっと笑うと、やっと紫苑が口を開いた。


「お前、あーだろ?何が可笑しい」


「ふふっ、すべて、よ?私はこの人を見ても何も思わないし感じないわ。

優しいあげはとは違うのよ」


「チッ・・・・・・お前が出てくるのは予想外だった。

でもまぁ、いい。目的は果たした」



やっぱりあげはを由香利に会わすのが目的だったのね。


「そう。


じゃあね紫苑、



母さん・・・・・」




そう言いふわりと笑う。




紫苑は笑ったのが意外だったのは唖然としているし、由香利の瞳からつー、と涙が一筋流れ落ちた。



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