†蝶龍†―２―

「あの、あげはの不意打ちの攻撃を受けていながら、あげはのスピードに付いていっているなんて・・・・・」



由樹は信じられないような眼差しで2人を見ていた。



「信じられない？君のトコのお姫様とうちのボスが対等に遣り合っているのが」


クスクスと笑いながら零が由樹の前にやってきた。


「貴方達・・・・・表の人間じゃないでしょう」

「正解。紫鬼（シキ）・堕天使って知ってるでしょ？」


ふふっと笑っていう零に背筋に寒気が走った。


「・・・・・、ＢＬＡＣＫ」


「あはっ、正解。彼女と遣り合うために紫苑は強くなったんだよ？」


「意味が、わからないよ」


「彼は、彼女を愛してる。とても歪（いびつ）に歪んだ愛情で」



そう言った零に由樹は今度こそ、危険を感じた。