†蝶龍†―2―

そしてやっぱり警察がこの騒ぎに気付かないわけがない。

「舞、散って」

「はーい」


また窓から手を出しくるくると回転させる。すると綺麗に皆散っていった。

私達はそのままのスピードで倉庫への道のりを急いだ。



誰一人、欠けちゃダメ。


そんな思いを抱いて車の中から外の満月を眺めていた。



満月を見るといつも思い出す、柚がいなくなってしまった日のことを。


あの日の事は絶対に忘れない。忘れれる訳が無い。


だって、そうでしょう?私は記憶を失っても可笑しくないと言われていたんだもん。


それほどまでに精神的ダメージを受けていたなんて、私自身分かっていなかった。

ねぇ柚?また貴方の横で笑える日が来ると良いな・・・・・・・。



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