†蝶龍†―2―

車の中で助手席の舞はパソコンで情報を集めている。由樹は私と後ろに座ってただジッと外を眺めていた。


紅蓮・・・・・・どこまで私を苦しめる?


私の仲間に手を出す奴は誰であろうと許さない。

蝶龍と連合の奴等は私の家族だ。

傷つける奴は地獄に落ちな。


そう思う私だから【地獄姫】と呼ばれているんだろう。


いつだったか私は自分の通り名の由来を舞に聞いたことがあった。


『あげはの戦う姿を見てそう誰かがつけたんだよ。敵を容赦なく叩き潰す喧嘩スタイル。総長・幹部・特攻隊は完膚なきまでに潰す。しかしその容姿は姫のように美しい。蝶龍の総長は地獄の姫といわれ、【地獄姫】と呼ばれるようになった』


確かに私は敵は完膚なきまでに叩き潰す。殴ることに抵抗や躊躇などは一切ない。


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