†蝶龍†―2―

―あげはSIDE―


中に入ると、呻き声と怒声と殴る音が響いていた。


私と由樹が堂々と入ってきたにも関わらず、紅蓮の面子は誰一人気付いていない。


「皆強くなってるわね」

「それはもちろんだよ。姫が居なくなってから、少しの間揺らいだけど幹部が喝を入れてね。それから、姫がいつ帰って来てもいい様に鍛錬してたんだよ」


「そう・・・・・」


そこまで中の私は慕われていたのね。まぁ、見ていたし、私もあげはなのだけれど。


そう思いながら乱闘を見ていると、コチラ側の隅にある小さな物置のような物の上に我が弟、龍聖が乗っていた。


・・・・なぜ参加していない?龍聖は幹部の中で最年少だが、喧嘩の力は1、2を争う程だ。

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