†蝶龍†―2―

「・・・・だるい」

「・・・・俺も」


ソファに踏ん反り返っている千尋と鈴。


「ねぇねぇ舞~、パソコンかして~」

「あはは~死んでもかさないよー」



ブー垂れる未来と軽く受け流す舞。

皆を見ている由樹。

何一つ、いつもと変わらない。唯一つ違うのは、私。


私は、穢れてしまった。


血に濡れ、紅く染まったこの手。


仲間を守るためだけに振るってきた筈の力も、いつしか、人を殺める為だけに使うようになっていた。


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