†蝶龍†―2―
紅蓮ー奏SIDEー
「チッ・・・・邪魔が入るのは御免だわ。ねぇ紅蓮?コレで終わると思わないでちょうだい。
徹底的に潰してあげるわ」
そういって紅蓮の倉庫から蝶龍は消えた。
「総長ッ!!」
ぐったりとしている奏に下っ端が呼びかける。
「・・・・・騒ぐんじゃねえ」
「総長・・・・・っ!怪我が・・・」
「平気だ・・・・それより他の奴等は」
ふらふらと立ち上がり壁にもたれ掛りながらも、自分以外の人を心配する奏。
「一応、皆さん意識はあるみたいです。でも、修司さんが、一番酷いみたいです・・・・・」
下っ端は苦虫を潰したような顔で応えた。
「そうか・・・・重傷者はいつもの病院へ連れて行け。俺達は後からいく」
「わかりました」
しっかりと頷いて去っていった。奏はぐるりと倉庫内を見渡した。
仲間に支えられながら歩いているもの。壁にもたれ掛って座っているもの。地面に寝転がっているもの。
そしてその大半が怪我をしているのがこの位置からでも確認できた。