†蝶龍†―2―

「修司、具合はどうですか?」

「ん~まぁ見ての通りだな」


痛々しく巻かれた包帯とギプス。


「痛そうだねぇ。早く治せよぉー」

「分かってるっつうの!ほらほらこれからまだやる事あんだろ?俺のことは良いから倉庫戻れよ」

「分かりました。修司、くれぐれも勝手に動いたりなんかしては行けませんよ?」

「わーってるから。ほらほら、行った行ったー!」


シッシッと手を振って俺等を追い出す。“じゃーな”と笑った修司は、少し寂しそうだった。


「修司の言った通り、戻りましょうか、倉庫へ」

「うん。ねぇ、蝶龍へ吹っ掛けるのって修司が退院してからだよねぇ?」

「そう考えるのが妥当ですね。下も被害は受けてますから」

「そうだよねぇ・・・・・」


何かを考え込む奈留。

そんな奈留をジッと見ている魁。

怜はケータイで誰かと喋っている。

< 75 / 160 >

この作品をシェア

pagetop