†蝶龍†―2―

「私のやる事には来栖は邪魔なので」


自分の声じゃ無い様な抑揚の無い無機質な声で答える。


『・・・来栖に受けた恩を忘れたのですか!?貴女は一体今まで来栖の何を見てきたのです!!』


私の答えが気に食わなかったのだろう。今まで抑えてきた感情が爆発したのだろう。


「確かに私は来栖で育ちました。でも、私には不要でした。私の養育費など、必要なお金は全て父が出していたのでしょう?」


『・・・ッ!どこでそれを』


「私は伊達に裏でトップをやっているわけではありません。ハッキングすればそんなの一発です。もう用はありません。龍聖は後々ちゃんと帰しますから。では」


ブチッ


電源ごとケータイを切った。

< 91 / 160 >

この作品をシェア

pagetop