窓下の愛想

「コーヒーでい?」

いつもの様に

愛を確かめあった後

タオルを腰に巻き

僕は言った

「んー、甘くしないでね」

そう言った後で「疲れた」と付け加えた彼女に

「老化だよ」と笑って茶化した

「老化言うな」

そう言って少しふくれた彼女

7歳年下の僕に対する気後れからか

黙って窓の外に視線を移した

……………………………

彼女との出会いは三年前

当時22歳だった僕が就職した会社に

同時期にパートとして入って来た

僕の担当することとなった部署に彼女も配属され

初めのうちは立場は違えど

同じ様に仕事を教えられ

常に一緒に仕事をしていた

彼女は気が強く

少し注意しただけでも

ムッとした表情を浮かべる

始めからずっと一緒にいたせいか

仕事に余裕がある時は

お互いのプライベートな話しもするようになった



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