窓下の愛想
−Re:−
いいなぁ
私も一緒にプラプラしたいな
僕の胸が激しく高鳴る
急いで返信する
からかっちゃだめだよ
でも、できるなら自分は
一緒にドライブでもしたい
…たぶん、こんな内容だったはず
送信ボタンを押して間もなく
人妻相手になんてメールを送ってんだ
と、胸の高鳴りで
呼吸困難気味で慌てた
すぐに携帯が鳴る
−Re:またぁ!?−
からかってなんかないよ
今、少し出れるから
連れていってくれるなら嬉しいな
私も結城さんだからこんなこと言うんだよ
当時彼女はまだ苗字で僕を呼んでいた
僕は手にしていた本を
急いで棚に戻し
携帯を打ちながら
慌てて店を出た
自分も逢いたい
でも、向こうは人妻
からかわれてるのか?
それでも逢いたい
今まで漠然としていた想いが
徐々に確立していく中で
不安などの想いも入り交じり
頭がぐちゃぐちゃなりながらも
何通かのメールを交わし
僕は待ち合わせ場所の
小さな無人駅の駐車場に辿り着いた
正確に言えば
辿り着いていた
なのだが…