魔女の幸せ



「あの……宮殿専属魔女とは、具体的に何をしたら良いのでしょうか?
お城には医者が居ますから、薬の心配も無さそうですし、お守りやまじないもこの警備の行き届いた環境なら必要無さそうなのですが…」



アリアは一番気になってた点を指摘した。
これを聞かなければ、自分はここへやって来た意味がない。




「ああ…、確かに城には有能な医者や兵士が居るが、薬草についての取り扱いは魔女の方が詳しい。医者は治す知識の方が重要だからな。
そして、兵士は居るが妖精を見る事は出来ない。イザベラ殿に宮殿内にも沢山の妖精が居ると聞いた。
妖精も同じ宮殿に住む住人だ。その住人の様子を見れて、配慮できるものが必要だろう?」



このウィル王子も王様と同様、魔女や妖精を深く理解してくれているようだ。



人は見えないものを信じない生き物なのに…こんな風に「住人」と言ってくれるなんて……。




 
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