魔女の幸せ
『いいの?』
妖精は嬉しそうにアリアを見た。
「どうぞ」
アリアが笑って答えれば、妖精は嬉しそうにそれを抱えて、花の陰へと消えて行った。
さっきクッキーを取りに来た妖精たちを見る限り、
宮殿に害を及ぼしそうな妖精は居ないようだった。
妖精たちはアリアの存在を知ったであろうし、
何かあればアリアを頼って来てくれるだろう……
「あら?あなた……専属魔女さん?」
急に後ろから呼ばれ、パッと立ち上がって振り返る。
建物を背にして座っていたので、人が来た事に気がつかなかった。