魔女の幸せ




「ねえ、アリア!今度お城で舞踏会が開かれるんですって!?
私楽しみだわ~…ここに住んでる妖精たちは皆踊りや音楽が好きですからね!!会場の外の花畑で皆集まるのよ」



妖精は嬉しそうに話していた。

そう言えば、さっきポプラが言っていた。

―来週舞踏会があるから厨房は忙しくなる―



城で働く者は準備に追われて、舞踏会が終わるまで忙しくなるが、参加する事はまず無い。


だから、特に楽しみでもなく、逆に仕事が増えるだけなんだ。




「あー…って事は、あの花荒らし姫は舞踏会が終わるまで滞在するの?」


苦い顔でアリアに問う妖精。





「……花荒らし姫?姫って言うと、ジュリー姫の事かな?」



アリアが聞き返せば、妖精は羽をブルッと震わせて顔を強ばらせながら、

「そう!ジュリー姫!」

と叫んだ。


何か怒っているようだ。



 
< 36 / 54 >

この作品をシェア

pagetop