魔女の幸せ
「ねえ、アリア!今度お城で舞踏会が開かれるんですって!?
私楽しみだわ~…ここに住んでる妖精たちは皆踊りや音楽が好きですからね!!会場の外の花畑で皆集まるのよ」
妖精は嬉しそうに話していた。
そう言えば、さっきポプラが言っていた。
―来週舞踏会があるから厨房は忙しくなる―
城で働く者は準備に追われて、舞踏会が終わるまで忙しくなるが、参加する事はまず無い。
だから、特に楽しみでもなく、逆に仕事が増えるだけなんだ。
「あー…って事は、あの花荒らし姫は舞踏会が終わるまで滞在するの?」
苦い顔でアリアに問う妖精。
「……花荒らし姫?姫って言うと、ジュリー姫の事かな?」
アリアが聞き返せば、妖精は羽をブルッと震わせて顔を強ばらせながら、
「そう!ジュリー姫!」
と叫んだ。
何か怒っているようだ。