魔女の幸せ




「そんなに怒るなんて、何かあったの?」


アリアが聞けば、妖精は座ってた薬草の葉から立ち上がった。





「あの姫ね、私たちが大切に育ててたピンクの薔薇を、庭師にバッサリ切らせたのよ!?
それで自分の香水を作ったの!!

それにね、ウィル王子が好きなんでしょうけど、外でウィル王子を見つける度に花壇の花を踏んで行くのもやめて欲しいわ!」




怒る妖精に、アリアは苦笑いする事しかできなかった。


妖精たちが大切に育ててたくらいだ。きっと立派な薔薇だったのだろう。



「じゃあ、今度そうならないように、ここの空いてるスペースにピンクの薔薇を植えようか。
この薬草花壇なら、私が管理してるから、そう簡単には切られないよ?」


アリアの提案に妖精は
「まあ!名案ね!」

と嬉しそうに飛び回った。


周りの仲間にも知らせてるようで、
早速タネの準備をしているようだ。





 
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