魔女の幸せ
「あれを着て、来週開かれる舞踏会に参加して欲しいんだ」
ウィルの言葉にアリアは目を大きく開いた。
今まで森で暮らしていたアリアは、国の行事は勿論、街の祭りだって参加したこと無かった。
「いやいや、あのっ私はここに来る前はご存知の通り森暮らしの魔女でしたし、そんな行事に参加すらしたことありません。
身分だって、ここで働けるだけでも大出世なんです!舞踏会なんて、私には遠い話です」
アリアが頑張って断ろうとするが、
ウィルは笑顔で焦っているアリアを見つめたままだ。
「そんな大それた物ではない。それに、何かあっても俺かロイドが近くに居るようにする」
ウィルにはアリアの拒否が通じないようだ。