魔女の幸せ





「あ~痛い…」



昼過ぎからのダンスレッスンが夕方に終わると、
アリアは必ず薬草が植えられた花壇に来ていた。


慣れない体制や動きを求められるダンスは、日頃動かさない部分の筋肉を使うらしい。



花壇の前にしゃがむだけでも身体が痛い。





「人間って体重があるから大変ね~。しかも、踊り方が決まってるなんて!
私たち妖精は、体重が無いから筋肉痛も無いし、自由に楽しく踊るのがダンスのスタイルよ♪」



妖精たちは、アリアの周りをクルクル回りながら踊っている。


「人間も、形の無い楽しいダンスをすれば良いのにね」



アリアが妖精へ苦笑いで答えると、



「あら…あなた…」

と、品がある鋭い口調が聞こえた。

顔を向ければ、そこには以前窓から見かけたジュリーがアリアの数メートル離れた場所に立っていた。



 
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