魔女の幸せ
「えーーーー。私宮殿なんて無理だよ」
アリアが嘆くと、イザベラはアリアの肩をそっと抱く。
「大丈夫。あんたは勉強家だし、知識は私がちゃんと身に付けさせた。
自信を持ちなさい。
それに、私はあんたの師匠の前に親なの。子どもには色々な世界を見せてあげたいと思うものが親なの」
親…………。記憶が曖昧な幼い頃に親を無くし、イザベラに引き取られたアリア。
イザベラはアリアに、色々な愛情をくれた。
「………わかった。行くよ……お城専属魔女になる」
子どもの成長を親が願うなら…
立派な姿を親に見せてあげるのが子どもだ。
アリアは宮殿行きを決意して、
一週間たっぷり準備に使った。