Signs Of Love【クリスマス短編】
「はあ…」
季節は12月の中旬。
どこにいても聞こえてくるクリスマスソング。
昼間でも眩いくらいにキラキラと光るイルミネーション。
オフィスを抜け出して、ランチに入ったカフェの窓際席。
そこから広がる街並みは、正にクリスマス一色で。
行き交う人たちの表情は、みんななんだか嬉しそう。
それなのに。
あたしにとってそれらは、気分を盛り上げてくれるものでも、なんでもなくて。
「はあ――…」
気付けばもう一度、溜息をもらしてしまっていた。