Signs Of Love【クリスマス短編】
「果歩、さっきから溜息ばっかり。なんか悩み事?」
浮かない顔した、あたしの顔を正面から覗き込むのは同期入社のさっちゃん。
「ん…、まあ…そんなトコ」
と、曖昧に答えたあたしに。
「話せばスッキリするかもよ?」
そう言って、さっちゃんはニコニコ微笑んだ。
その表情は幸せいっぱいって感じの笑顔。
まあ、それもそのハズ。
さっちゃんは入社して2年間、ずっと片思いしてた同期の男の子の彼女の座をつい先日ゲットしたばかりだから。
そんな、さっちゃんに相談しちゃダメだってわかってるんだけど。
ビックリされるのも目に見えてるし…
かといって、この状況を打破する術を生憎、あたしは持ち合わせていてなくて…
さっちゃんの優しさにすがるように。
「あ、あのね――…」
と、悩みを打ち明けてみれば案の定―――……