彼女が声を出さない理由(わけ)
武人の名は、城山 白夜(しろやま びゃくや)。

剣術主流の戦国の世において、無手術に拘り、無手のみで剣、槍、弓、果ては火縄銃にさえ立ち向かった武芸者。

矢を、弾丸を潜り抜け、白刃を掻い潜り、馬上の武将に飛び掛かっては、刹那の間に首をへし折り、瞬く間に軍の統率力を奪った。

重い甲冑を纏っている鎧武者に対し、白夜は合気道風の道着のみ。

その事が逆に疾風の如き動きを遮る事なく、白夜の技を十二分に発揮させた。

如何なる銘刀も、西洋より伝来した火器も、城山の技の使い手を止める事は叶わなかった。

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