Vrai Amour~美空の場合~
「何か食べたいものはある?」

車を発進させると先生が言った。

「特には・・・」

「こういう時、お嬢様相手だと困るなぁ」

そう言って先生が笑う。



どんな高級料理より

どんな素敵なお店より

私は先生と一緒にいられればそれでいいのに・・・



先生が運転する横顔をじっと見つめる。

対向車線の車のヘッドライトが先生の頬を照らすたび、先生はなんだか泣いているように見えた。




気のせい・・・かな
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