Vrai Amour~美空の場合~
「僕が、教えてあげようか」





先生の顔がゆっくりと近づいてくる。

思考は消え、ただ夢の中に立っているような感覚に陥る。

この先どうされてしまうのかは予想もできるのに体は動かなかった。



びくん



先生の吐息が唇にかかる。

かろうじて寸前でぎゅっと瞼をつぶる。

すると、ゆっくりと唇にあたたかいものが重なった。




「唇、柔らかいな」



恥ずかしくて目を開けられずにいると、今度は深く重なってくる。



「・・・っ」

気がつけばだんだんと深く重なってくる唇。

私はどうやって息をしたらいいのかもわからないまま先生に体を預けた。
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