Vrai Amour~美空の場合~
そっと封を開けるとそこに入っていたのはフランス行きの航空券だった。
他に手紙のようなものは入っていない。
でも、それがどういう意味を持つのかはすぐにわかった。
私は支度が途中のままのウェディングドレスの裾を掴み、小さなバックを掴んで部屋を飛び出した。
「お、お嬢様!?」
追いかけてくる朝比奈さんも顔を真っ青にしているお母さんも全部振り切って門の外に飛び出す。
「先生!!」
逆光で背中しか見えないけど、いつも見つめていた背中。
振り向くのを待ってなんていられない。
誰かの言うなりになるなんて嫌。
私は私が愛する人を、自分の手で手に入れる。
走りづらいパンプスを放り出し、振り向いて広げられたその腕の中にまっすぐに飛び込む。
他に手紙のようなものは入っていない。
でも、それがどういう意味を持つのかはすぐにわかった。
私は支度が途中のままのウェディングドレスの裾を掴み、小さなバックを掴んで部屋を飛び出した。
「お、お嬢様!?」
追いかけてくる朝比奈さんも顔を真っ青にしているお母さんも全部振り切って門の外に飛び出す。
「先生!!」
逆光で背中しか見えないけど、いつも見つめていた背中。
振り向くのを待ってなんていられない。
誰かの言うなりになるなんて嫌。
私は私が愛する人を、自分の手で手に入れる。
走りづらいパンプスを放り出し、振り向いて広げられたその腕の中にまっすぐに飛び込む。