Vrai Amour~美空の場合~
「え?な、なんで?」

斗真さんはしばらくそのままでいたけど、少ししてからぽつりとつぶやくように言った。

「ウェディングドレスは僕が着せたかった」

あ・・・・

私は自分が着ている真っ白なウェディングドレスを見下ろす。

そっと斗真さんの顔をうかがうと

「向こうに着いたら、お・し・お・き、だからね」

とにやりと笑った。

「も、もう!!」

「冗談じゃないからね。1ヶ月以上我慢したんだ。これ以上我慢できない」

そう言いながら今度は深く唇が重なる。

「・・っんん」

斗真さんの舌が私の唇をこじあげようとした時、運転手さんの咳払いが聞こえて私は慌てて斗真さんの胸を押し戻した。

「・・・で、どこ行くの?」

「空港まで」

二人で声を合わせて、そう答えると今度は運転手さんに気づかれないようにそっと唇を重ねた。

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