君のこと。
私たちの次は、バレー部だ。
「バレー部の皆さん、お願いします!部長、海原空―――」
「え!?」
がばっと、私は勢いよく立ち上がった。
「ちょっと、ゆず?どうしたの」
「あ、ごめん・・・海原くんって、部長だったんだね」
「空?―――ああ、そうだよ。知らなかった?」
きょとんとした表情で友美がこちらを見ている。
「うん。てか、部活とかだるくてサボってるかと思った」
「まぁ、あの身長ってのもあるよね。よく部長やってるもんだ」
「ほへー」と、小さく声をあげたものの、やはり以外だった。彼をちらりとみると、自信に満ち溢れ、堂々とした海原くんがそこにはいた。
なんだかとても誇らしく思えた。
「・・・頑張れ」
誰にも聞こえないような声でそうつぶやくと、私は片付けに取り掛かった。
この声が、友美に聞こえていたなんてこのときは思ってもいなかった。
片づけが終わるころ、バレー部の演舞も終わっていた。
退場して舞台袖に入ってくる海原くん。私を見つけるなり、駆け寄ってきてくれた。
「楠!」
「か、海原くん」
その額は少し汗をかいていて、キラキラと光って見えた。
「さっきは大変だったな・・・ごめん、勝手な事しちゃって」
「え? そ、そんな。あれがなかったら私たち大変だったんだよ。演舞すらできなかったし・・・。その、ありがとう」
ぺこりと頭を下げる。すると
「あー、いいから。そういうの。俺がしたくてしたことだし・・・気にすんなよ」
「うん、ありがとう」
微笑んで見せると、海原くんは俯いてしまった。変な事を言ってしまったのか?
「その。・・・お前が、書いてる姿」
「うん」
「・・・・・・」
「海原くん?」
「や、やっぱ、何でもない!」
急に後ろを向いて歩き出してしまう海原くん。
「え?何?そう言われると気になる!教えてよ!」
「嫌だ!絶対やだ!」
「どうしてよ~っ」
「言わないったら、言わないかんな!」
こちらを少しだけ振り向いた海原くんの顔は、少し火照っているように見えた。
「バレー部の皆さん、お願いします!部長、海原空―――」
「え!?」
がばっと、私は勢いよく立ち上がった。
「ちょっと、ゆず?どうしたの」
「あ、ごめん・・・海原くんって、部長だったんだね」
「空?―――ああ、そうだよ。知らなかった?」
きょとんとした表情で友美がこちらを見ている。
「うん。てか、部活とかだるくてサボってるかと思った」
「まぁ、あの身長ってのもあるよね。よく部長やってるもんだ」
「ほへー」と、小さく声をあげたものの、やはり以外だった。彼をちらりとみると、自信に満ち溢れ、堂々とした海原くんがそこにはいた。
なんだかとても誇らしく思えた。
「・・・頑張れ」
誰にも聞こえないような声でそうつぶやくと、私は片付けに取り掛かった。
この声が、友美に聞こえていたなんてこのときは思ってもいなかった。
片づけが終わるころ、バレー部の演舞も終わっていた。
退場して舞台袖に入ってくる海原くん。私を見つけるなり、駆け寄ってきてくれた。
「楠!」
「か、海原くん」
その額は少し汗をかいていて、キラキラと光って見えた。
「さっきは大変だったな・・・ごめん、勝手な事しちゃって」
「え? そ、そんな。あれがなかったら私たち大変だったんだよ。演舞すらできなかったし・・・。その、ありがとう」
ぺこりと頭を下げる。すると
「あー、いいから。そういうの。俺がしたくてしたことだし・・・気にすんなよ」
「うん、ありがとう」
微笑んで見せると、海原くんは俯いてしまった。変な事を言ってしまったのか?
「その。・・・お前が、書いてる姿」
「うん」
「・・・・・・」
「海原くん?」
「や、やっぱ、何でもない!」
急に後ろを向いて歩き出してしまう海原くん。
「え?何?そう言われると気になる!教えてよ!」
「嫌だ!絶対やだ!」
「どうしてよ~っ」
「言わないったら、言わないかんな!」
こちらを少しだけ振り向いた海原くんの顔は、少し火照っているように見えた。