悪女の恋〜偽りの結婚〜
「うそ!?」


「いや、ほんと。相手がどんな男かも分かった。チャラい遊び人さ」


「へえー、こんな事言っちゃ悪いかもだけど、ひどい女だね、奥さん」


 遥にそう言われ、俺はちょっと、カチンと来た。

 おまえだって、大して変わらねえだろうが……



 店を出た俺は、ビールで酔ったのか頭がボーッとして歩くのもだるかった。一杯しか飲んでないのだが。


 遥はそんな俺の腕を掴み、俺を導くように歩いて行く。その先にあるのは、かつて遥と何度か入った事のある、シティホテルだった。


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