悪女の恋〜偽りの結婚〜
 事が済み、タバコの煙をくゆらせながら、俺は結衣の寝顔を見た。俺の胸に顔を寄せ、満足げな顔で眠っている。

 俺はコイツを悦ばせてしまったのか?

 虐めるはずが、これでは逆じゃないか……

 “離れろ”と言ってコイツを突き放そうか。そう思って結衣のおでこに手を触れたところで、ふと思った。


 待てよ。“飴と鞭”って言うよな?
 昼間は虐めて、夜は可愛がってやる、というのはどうだろう。俺自身の性欲処理も兼ねて。


 そして殆ど性体験のなさそうなこの女を調教し、俺から離れられない体にするんだ。そうすれば、多少虐めても実家に逃げ帰らないだろう。


 我ながらいい考えだと思った。俺は結衣の頭を撫でながら、ニヤリとほくそ笑んだ。


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