悪女の恋〜偽りの結婚〜
悪女の従兄
会社で下を向いて仕事をしていたら、周りの女子社員が息を呑む気配がした。そして、俺が顔を上げるのと同時に、部長が慌てた様子で席から立ち上がっていた。
「ふ、副社長!?」
そう叫んだ部長の視線を辿ると、仕立ての良さそうなスーツをビシッと着込んだ、スマートで長身の若い男が立っていた。顔は整い過ぎとも言える美形で、まるでモデルかホストのようだ。その容姿に、女子社員が思わず息を呑むのも当然だろう。
俺はそいつを知っている。2~3度会っただけだが、その容姿と、俺を見る目の鋭さを忘れる事はなかった。
そいつの名は一条海。結衣の従兄だ。
「ふ、副社長!?」
そう叫んだ部長の視線を辿ると、仕立ての良さそうなスーツをビシッと着込んだ、スマートで長身の若い男が立っていた。顔は整い過ぎとも言える美形で、まるでモデルかホストのようだ。その容姿に、女子社員が思わず息を呑むのも当然だろう。
俺はそいつを知っている。2~3度会っただけだが、その容姿と、俺を見る目の鋭さを忘れる事はなかった。
そいつの名は一条海。結衣の従兄だ。