悪女の恋〜偽りの結婚〜
「言いかけて“では”って、気になるじゃないですか? 女房の事って、どんなお話ですか?」


 旦那さんは俺を振り向くと、ニヤッと笑った。実は話したくてうずうずしてるってのが見え見えだ。


「ですよね? では言いましょう。ご主人にはかなりショックな話なんですがね」


「ちょっと、あんた……」


「おめえは黙ってろ」


 奥さんは旦那さんを止めようとしたが、本気で止める気はなさそうで、むしろ俺の反応を楽しみにしてる、って思うのは俺の気のせいだろうか。


「あのベッピンの奥さんはね……」

 俺はゴクンと唾を飲み込んだ。


「浮気してますよ」


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