悪女の恋〜偽りの結婚〜
 俺はふらつく足取りで、やっとの事でマンションへ戻った。今まで経験がないのだが、これが貧血というやつだろうか……


 ドアを開けて中へ入ってから、タバコを買うのを忘れた事に気付いたが、もう一度買いに行く気にはなれなかった。


 ニコニコしながら俺を出迎えた結衣を見て、怒りが一気にカーッと湧き上がった。俺は結衣の小さな肩をガシッと掴むと、目を丸くして驚く結衣の赤い唇を、俺の口で塞いだ。


 結衣の口の中を荒々しく舌で犯した後、結衣を抱き上げ、寝室へ行ってベッドにその軽い体を放り投げた。そして結衣の服を全て剥ぎ取り、体を重ねていった。


 こいつは、俺がいない間に俺以外の男に抱かれているのか?
 この白い肌を、茶髪男に晒しているのか?


 俺は結衣を犯しながら、その体のいたる所に印を付けていった。しかしいくらそれを続けても、イライラは収まらなかった。


 俺はなんでこんなにイライラするのだろう……
 ああ、そうか。ニコチンが切れてるからか。なんだ、そういう事か……


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