悪女の恋〜偽りの結婚〜
 翌朝、俺はマンションを出ると、コンビニへ寄ってタバコを買い、店先でそれを1本吸った。


 ふ~。


 軽い眩暈を覚えながら、体にニコチンが回るのを俺は感じた。
 やっとこれで落ち着く……


 会社かあ、行きたくねえなぁ。

 俺は自分のマンションと駅の方角を交互に見ながら、会社を休んじまおうかと考えた。


 やっぱり行くか、会社へ……


 当日欠勤は、サラリーマンとしてはしてはいけない事だし、家にいて結衣といても、たぶん気まずいだけだろうしな。


 ま、結衣は派手好きで、あれだけの容姿だ。俺以外に男の一人や二人いたって不思議はない。あんな女なんか、どうでもいいさ。好きにすればいい。


 そう自分に言い聞かせながら、俺は駅への道をとぼとぼ歩いていった。


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